スプーンRing

Story

スプーンリングの歴史は17世紀のイギリスまで遡ると言われています。17世紀当時、裕福な家の召使いとして働く男が、愛する女性へ結婚を申し込むために、雇い主の銀のスプーンをリングへ加工したことが始まり。この手法が召使いの中で広がり「愛の象徴」として定着していきました。

1960年代にはヒッピー文化の象徴ともなり「物質主義からの解放」という意味も加わり、現代では、有名デザイナーのマルタン・マルジェラがコレクションで使用したことなどにより、ファッションの一つとして受け入れられています。

出産祝いに銀のスプーンを贈ると縁起が良いと言われています。銀のスプーンは「裕福の証」であり「飢餓や貧困から守る」という願いを込めて贈られると言われています。しかし、子供が成長するにつれスプーンの用途がなくなり、仕舞い込んでしまう家庭がほとんどではないでしょうか。

自身の出産祝いのスプーンをリングに作り変えるのが、この「スプーンRing」プロジェクト。1本のスプーンから最大で3つのリングが製作を可能です。子供の成長の証としてスプーンRingを作ってみては如何でしょうか。

Before

「シルバー925」の銀のスプーンを使用。

After

打ち出し手法で製作。槌目柄(左)とサンドブラスト加工(右)。

Artisan

森銀器製作所

創業は、1927(昭和2)年。森銀器製作所は、銀の老舗総合メーカー。そのキャッチフレーズは、「銀の爪楊枝から、金のお風呂まで」。これは比喩ではなく実際に手がけた商品や仕事で、金のお風呂は東京オリンピックの1964(昭和39)年に純金200キロを使い2年がかりで製作したそうだ。

金額の大小だけでなく、手がける仕事のフィールドも幅広い。宮内庁御用達品から、根付けやアクセサリーなどの装飾品、ぐい呑みやカトラリーなどの和洋食器、仏具、競技メダルとあらゆる銀製品を製作している。製作だけでなく銀の溶解、圧延の設備も備える都心唯一の工場として、同業者との取引も行う。

当代の森將さんは、五代目に当たる。初代は父である森善之助氏。古くから銀器製造が盛んだった下谷に生まれ、銀座の名工・田島勝之助氏に師事した後、鍛金師として独立したのが森銀器製作所の始まりだ。金のお風呂を製作していた頃、当代は中学生だったそうだが、あの頃の工場の活気は忘れがたいと言う。銀製品をもう一度、多くの人に届けて、その美しさや機能に触れて欲しいとの思いから、様々な銀製品の開発にも挑む。他の伝統工芸品とコラボした商品で、銀製品、伝統工芸品に勢いを取り戻すべく奮闘している。